金属系素地の特性と素地調整

1.鉄鋼面の特性

鉄面に対する表面特性は、鉄のみの場合ど、その表面を亜鉛メッキなどの防食処理した場合の2種類に分けられる。

鉄鋼面の素地調整はその表面特性を塗膜の付着性と正規の防錆効果を発揮させるようにすることが第一の目的と考えることができる。
鋼材の分類は、厚さにより分類され、また一方では、く製造方法による分類がなされている。これら分類された代表的な鋼板はそれぞれ種類があり、それぞれの特性が生かされ各分野に用いられている。建築においては、鉄骨を中心とする構造用からドア、建具等の分野まで各種の鋼材が使用されている。
これらの鋼材はそれぞれ表面特性が異なり、これらに対応した配慮、が必要である。

◎熱延鋼板(厚・中板)
熱延鋼板の場合、熱間圧延された状態ではその表面に黒皮(ミルスケール)が強固に付着している。
この黒皮が付着している面は、黒色の特有の光沢をもっている。
黒皮が強固に完全に付着している場合は鋼材表面の保護層としても働きを示すが、ルーズになっていたり、はがれている場合は、かえってさび発生を促進する結果となってしまう。
また、その表面に施工する塗料によっては、エボキシ樹脂塗料のごとく硬度が高く収縮応力の高い塗膜の場合は、完全に除去した後施工しなければならない。

◎熱延鋼板(薄板)
表面の性状は黒皮、酸洗仕上げ、ショットプラスト仕上げの3種類があり、黒皮については厚・中板と同様であるが、酸洗鋼板は表面が梨地肌で表面の粗さは実用上差しっかえなく、表面色は薄黄色か、灰色の着色が発生するが、問題ない。
ショットプラスト鋼板は表面粗さが、酸洗鋼板より大きく塗膜の付着性は良好であるが、スポット溶接の場合のスバッターの飛散には注意するきである。
しかし、実際は酸洗鋼板の使用が多い。

◎冷延鋼板(薄板)
表面性状はダル仕上げとプライト仕上げがある。
ダル鋼板は微細な凹凸をもった表面で、梨地仕上げで銀白色を示しており、大部分の冷延鋼板はこのダルである。
このダル鋼板は塗料の付着性も良好である。プライト鋼板は金属光沢をもち、鏡面反射をしている。

◎耐候性鋼
鉄にO.2~O.6%程度の銅を含有させたり、クロームやニッケルを含ませると、一般鋼と同様にさびを発生するが、そのさびがち密なさび層に移行して安定化する。
耐候性鋼は最近建築に多用化しつつあるが、耐候性鋼の使用は、黒皮の状態かプライトの状態の上において裸で使用することが良いとされているが、さび発生の初期の段階で流出レ汚染を生ずる欠点、があり、この問題を解決するさび安定化の塗装システムが確立している。
耐候性鋼に塗装することは、発生したさびの進行状況が一般鋼に比較し、相当におそい速度となり良好な結果が得られる。

2.鉄鋼面の素地調整

各種鋼板の表面的な特性を基本的に説明したが、これらはし、ずれもさびの発生していない理想的な状態における特性である。
しかし実際の場合、鋼材はほとんどがなんらかの形でさびを発生させており、また、加工によって溶接したり、変形を与えたりしており、塗装をする場合、それらの状態を最適な状態に調整する必要がある。
この調整の出来、不出来が塗膜の性能を決定づけることとなる。
この操作の中で最も重要なものが、一般にいわれるケレンと称する前処理である。ケレンにおける前処理の目的は、第一に発生しているさびをはじめ付着物の除去であり、第二として表面粗さを均一な状態に散らし、塗膜の付着性を高めることである。
この前処理には機械等を用いる物理的前処理方法と、化学薬品等を用いる化学的前処理とがある。

建築における鋼板面への塗装は、素地調整から下塗りであるさび止め塗料まで、の工程が、一般にこれら鋼材を加工する工場内で施工することが標準化されており、実際にほとんどこの方法でなされている。
そのため、建設現場で施工するより以前の処理の方法は、目的に応じて比較的自由に選択できるはずであるが、一般に建設現場の管理者が実際に加工場に常駐することがなく、問題点の発生要因を多く含んでおり、十分な管理が必要である。
物理的前処理方法においては、各種のプラスト方法が最もその効力とスピードにおいてすぐれたものとなっており、さびについてはほとんど完全に近いまでにケレンすることが可能であるが、素地の形状、大きさ、鋼材の厚み等に制限があり、一般に大型構造物において適用される。
小さいものから大きな形状のものまでもっとも多用化できるのがサンダーであるが、その能率とさびの除去程度には限界がある。

一方、化学的前処理の場合には鉄面の脱脂、さび除去からその鉄面への化成被膜の形成まで一貫した流れの中でできるため、流れ作業による作業の一定化と量産化が可能であるが、いずれの場合も処理の段階で加熱が必要であり、大きさに限界があると同時に工場における作業が必要条件となってくる。
いずれの場合も、前処理の方法は完全なものはなしそれぞれの条件と塗装する塗料の種類等によって、要求する塗膜への耐久性能等を加味して選択することとなる。
建築の場合には役物が多く複雑な形状でありケレンが不十分になりやすいため事故が発生しやすいが、これらに対する管理は十分に行なう必要があり、特に加工場での作業についての現場サイドからの管理が不十分になりやすい。

一方、最近では建築塗装において、各種の高性能塗料の仕様化のチャンスが多くなり、ケレン程度とそれぞれの塗料の付着性において選択性があり、各塗料の適性にマッチしたケレンとその施工管理が重要な点となってくる。

金属屋根の塗装においても、このケレン処理は重要な役割を果たす。
金属屋根は経年とともに錆びが発生するためだ。
この錆びを塗装の前にしっかりとケレン処理し、錆び止め塗料を塗装し、本塗装する事で、塗料の真の性能が発揮される。
特に屋根は建物において要である重要な部分なため、塗装でメンテナンスする際は気を付けておきたい。

屋根塗装は横浜外壁塗装工房をお奨めしたい。金属屋根にとどまらず、様々な塗装の知識があり、さらに屋根自体に詳しいので非常に頼りになる。